利用者インタビュー:合同会社北海空散 松橋充悟さん(北海道帯広市)
今年独立開業した「合同会社北海空散」の松橋充悟さん。8年間のJA勤務を経てドローンの可能性を見出し、北海道帯広市にて畑作農家様を対象とした散布請負を6年ほど行ってきました。
今回は松橋さんに、FLIGHT-AGをお選びいただいた理由、そして北海道十勝郡におけるドローン散布の可能性についてお話を伺いました。
「無駄のないシンプルな機体が欲しい」
農薬散布ドローンは年々進化していますが、 多機能化が進み、現場では使いこなせない機能も少なくありません。松橋さんは、シンプルな設計と操作性を重視し、効率を追求した機体としてFLIGHT-AGを選定いただきました。
「私が参入した当時、障害物センサーなどを搭載した機体がすでにあったのですが、北海道は圃場周辺に防風林など木々が生えていることが多いです。センサーは安心材料にはなるのですが、回避してしまうとそこには散布がされず、病害虫の発生源になる恐れがあります。」
松橋さんはマニュアル操作でしっかり薬剤の届き具合を見ながら散布することを重視されています。パートナーと無線でやり取りしながら死角もカバーできるため、センサー類を除いたシンプルな機体で十分であると語ります。
畑作×請負ならではの事情
松橋さんは畑作を中心に散布を請け負っています。畑作農家さんが散布業務を依頼される背景にはどのようなものがあるのでしょうか?
「ドローンを導入する農家さんは増えましたが、請負の需要も高いです。畑作では異なる作物を並行して栽培するため、収穫・農薬散布といったように異なる作業が同時期に発生します。農家さんとしては片方の作業を手放したいのですが、たとえ自動航行ができるドローンがあっても現場を放置することはできません。」
最近は精度の高い自動航行機能も一般化してきましたが、利用者には安全の確保が義務付けられます。ドローンを導入することで身体的疲労や効率化は実現できますが、それ以外にもきちんと目を向けることが重要ですね。
また、松橋さんは業界参入当初から10L機であるFLIGHT-AGを使用し続けています。近年積載量が10Lを超える機体も注目されていますが、広大な北海道でも10L機が適しているのでしょうか?
「最近は大型の機体も増えましたが、私は大型機は不要だと感じています。例えば、大型のドローンは持ち運びが大変です。北海道といえど農地の集約がされていない場所も多く、頻繁に車からの荷下ろしを繰り返す環境には大型機は適していません。また、機体重量が重くなるほどダウンウォッシュが強くなり、作物の茎が折れるリスクが高まります。」
機体総重量はタンクを満タンにすると空荷と比べ2倍近くになります。そのため、機体サイズを大きくすると想像以上に機体からの吹きおろし風(ダウンウォッシュ)が強く感じられる方も多いかと思います。
また、日本の圃場環境ですと軽トラックから機体を何度も積み下ろししながら散布作業を行う方が多く、小ぶりな機体の方が取り回しが容易というメリットがありますが、北海道でも同じような状況があるようですね。
十勝の農業に貢献したい
JAでの勤務をきっかけに農業現場に深く根ざした松橋さんは、農家さんが抱える現実的な問題を痛感してきました。特に十勝地方の畑作農家では、農薬散布は毎年の課題で、同じ時期に多くの作業が重なるため効率化が重要です。そこで彼が目を付けたのが、ドローンによる農薬散布請負業です。
「十勝では多くの農家さんがヘリで農薬散布を依頼してきましたが、そのコストが農家さんの負担になることも多くありました。ドローンならより安価にサービス提供できるため、お客様にも喜ばれています。」
松橋さんの努力の結果、より低コストで畑作の農薬散布を依頼する手段が実現しました。農家さんにとっては労力やコストを削減できるため、広がりを見せています。
FLIGHT-AGはこれからも松橋さんの活動と十勝の農業を応援します。